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NOXやススの発生を低減しながら高出力化を実現させたエンジンを搭載した。
これにより欧州排出ガス規制ユーロ4をクリアし、「シビック」「UP^->」にもディーゼルエンジンの対象車を広げた。
 二〇〇五年には欧州市場における乗用車の販売台数約二五万台のうち約三〇%をディーゼル乗用車が占めるまでになった。
しかし、ディーゼル規制の厳しい米国や日本では一段の浄化力が必要と見て、新型エンジンの開発に力を入れてきた。
「ホンダはハイブリッドカーにも力を入れるが、新型ディーゼルはクリーンカーの先端を走ることになるだろう」。
福井は強調した。
第二章 巻き返すホンダ次世代燃料電池車「FCXコンセプト」   次世代燃料電池車の概要 新型の次世代燃料電池車「FCXコンセプト」 の走行公開も関心を呼んだ。
これまでに開発したどの燃料電池よりも小型で高率の燃料電池装置を開発したことで、環境性能や動力性能が大幅に向上し、室内空間も広々と確保するなど乗用車らしいクルマとなった。
近くに小泉首相(当時) が試乗し、首相公邸に納入した燃料電池車も置かれていたが、ミニバン型のややごつい作りだった。
明らかに小型化技術が進展したことをうかがわせた。
 従来の燃料電池装置では、水素と空気の反応で生成された水を水平に流す方式だった。
「FCXコンセプト」 では垂直に流す方式を採用し、容積で二〇%、重量で三〇%少なく、最大出力は一四KW向上した。
小型で高出力の燃料電池装置が実現できたという。
駆動モーターの出力も一五KW向上し、ギアボックスとの同軸化により小型化した。
パワープラント全体としては、現行の 「FCX」より一八〇キログラム軽量化し、容積は四〇%も低減した。
広々とした室内空間がとれるようになった。
 ホンダでは、この 「FCXコンセプト」を二〇〇七年のデトロイト・モーターショーにも出展し、二〇〇八年から日米で新型燃料電池車をリース販売する計画だ。
「ホンダは全世界における製品および生産活動でのC02の低減目標を定め、五月に発表しました。
この背景には、年間二一〇〇万人以上のお客様に製品を販売するモビリティメーカーとして、地球環境へのインパクトを最小限化することが私たちの責務である、という強い想いがあります。
この目標の達成においては、ホンダの原点であるエンジンなどのパワートレイン技術をさらに磨きあげることが、重要な鍵になると認識しており、現在、幅広い分野での研究開発を進めています」「本日ご紹介する主な技術であるディーゼルエンジンは、世界で初めて、ガソリンエンジンに匹敵するクリーン化を達成しました。
画期的な触媒を開発し、乗用車に適したシンプルでコンパクトなシステムとしました。
かつてホンダがo>oo (複合渦流調速燃焼)技術でガソリンエンジンクリーン化の先駆けとなったように、ディーゼルエンジンの進化においても、リーダーシップを取っていきます」「技術開発において、ホンダでは、独創的であること、志を高く持つこと、を大事にしていま第二章 巻き返すホンダす。
今後、さらに重要さを増す環境技術においても、クリーン化だけにとどまらず、移動の楽しさや操る喜びをさらに高める'ホンダならではの先進創造で業界をリードしていきます」   O「ホンダ テクニカル レビューcsIOO^D」 で、こう挑戦的なあいさつをした福井は闘志満々だった。
自動車業界では、いよいよホンダの反撃が始まったと受け止めた。
2 環境のホンダの系譜 ホンダは一九九七年にトヨタが「プリウス」を大々的に売り出すまでは「環境技術の先駆企業」としてのイメージが定着していた。
創業者の本田宗一郎が社長だった一九七一年、世界に先駆けてu>uu方式の低公害エンジンの開発を発表した。
早くも翌年には商品化にメドをつけ、排気ガス公害対策に先鞭をつけたことが流れを作った。
ホンダはこの公害対策技術を広く公開し、社会的な技術認知を受けるとともに、本格的な小型乗用車として発売したばかりの「シビック」に搭載した。
o>ooエンジンは、排ガス対策だけでなく、高い燃費効率が人気を呼んでヒットし、米国でトヨタ、日産と肩を並べる有力自動車メーカーとしての今日の地位を確立することにつながった。
   米国における環境規制の進展 低公害のu>ouエンジン開発のきっかけとなったのは、一九七〇年十二月に米国で 「マスキー法」と呼ばれる大気浄化法修正法が成立したことだった。
米国では排気ガス公害が大きな社会問題になくつつあった一九六〇年代後半からカリフォルニア州、次いで連邦政府が大気汚染防止の規制を始めた。
米上院議員のエドモンド・マスキーは大気汚染防止法の改正案を提出し、議会で成立した。
これがマスキー法である。
自動車排出ガス中に含まれる一酸化炭素(co)、炭化水素 KO)と窒素酸化物teox)を、七五年から七六年にかけ、それぞれ、それまでの一〇分の一に減らすという厳しい基準を主な内容としていた。
日米の自動車各社はこの規制をクリアする乗用車の開発に必死に取り組んだが、どの自動車メーカーも達成は不可能だと見られていた。
その中で自動車に最後発で参入したホンダがいち早く規制をクリアする低公害エンジンを開発するという快挙を成し遂げた。
 ロサンゼルスで光化学スモッグが問題になっていたころである。
自動車がその有力発生源ではないかという世論がパッとひろがった。
第二章 巻き返すホンダ 当時のホンダ社長の本田宗一郎は、通産省が自由化に備えて国際競争力の弱い自動車会社の統廃合を進め、新規参入を制限しようという法案、通称特振法の準備を進めたことに反発していた。
本田宗一郎は急速四輪車の製作を指示し、一九六三年に初の四輪車である軽トラックの「(hoq^DO」とスポーツカーの 「coLOOO」 の生産販売を始めた。
ホンダはさらに、一九六六年に発表した初の軽乗用車「;z;coo」など次の四輪車の開発を急いでおり、一九六四年にはFlへの参戦を宣言するなど多方面に精力をとられていた。
 結果がすぐには出ない大気汚染の研究に多人数を割けるような状況ではなかった。
しかし、ホンダの技術陣は、四輪車への進出や、Fl出場の流れに乗って、環境への取り組みでも、士気は盛り上がっていた。
四輪車の世界に乗り出していくとすれば、当然、米欧市場に入ってい会問題になっている光化学スモッグにもきちんと対応する必要があると主張する技術研究者もいた。
 こうした中で、日本自動車工業会は一九六六年、米国における自動車公害の視察団を派遣し、GM、フォード、クライスラーや関連研究所を訪問し、排出ガスの研究状況を調査した。
米国でも大手自動車メーカーを中心に、触媒マフラー方式やwoc^ (排ガス再循環)方式、リーンバーン (希薄燃焼)方式など、排ガスをコントロールする対応策の研究が進んでいた。
しかし、各社ともどの方式で対応するか決断をしかねる状況だった。
米国の自動車製造者協会の提唱で、日米欧の自動車メーカーの技術者がこの問題について共同研究をしようという動きが出たが、独占禁止法に抵触するということで実現できなくなった。
   意気軒昂だった本田宗一郎 米国視察の報告をうけた本田技術研究所長の杉浦英男は、独自開発が必要と判断した。
排ガス対策を研究する大気汚染対策研究室、通称AP (エア・ポリューション) チームを発足させた。
だが、それまでエンジンの高回転・高出力を追求してきた研究者にとって、排出ガス対策は初めての経験であり、ゼロからの勉強となった。
当時はcOを測定する機器ぐらいしかなく、NOXやHCが何なのかもわからず、測定する機器もなかった。

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